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子供の連れ戻し親不在でも 法務省、ハーグ条約に対応

出典:平成30年6月27日 日本経済新聞

子供の連れ戻し親不在でも 法務省、ハーグ条約に対応

法務省は国際結婚の破綻などで一方の親が母国に連れ帰った子どもを元の国に連れ戻すための関連法改正を検討する。虐待などの危険があってもすぐに保護できないとの日本への国際的な批判に対応する。2019年にも国境を越えた子の引き渡しを定めるハーグ条約に沿った国内の関連法改正をめざす。

上川陽子法相は26日の閣議後の記者会見で「国際的な子の引き渡しについて、必要な規律の見直しを検討する」と明らかにした。連れ帰った親がその場にいなくても連れ戻せるようにする。

秋にも要綱案を取りまとめる法制審議会(法相の諮問機関)の民事執行法部会で改正案の細部を詰める。国境を越えた子の引き渡しに関するハーグ条約実施法と、国内の夫婦間の引き渡しに同様の規定を設ける民事執行法を改正する。

迅速保護可能に

ハーグ条約には一方の親がもう一方の親の同意なく国をまたいで母国に連れ帰った子どもを、元の居住国に戻す強制執行の手続きがある。もう一方の親の申し立てで家庭裁判所の執行官が代わりに子を保護し、元の国に連れ戻す。日本は14年に加盟した。
現在の日本のルールは連れ帰った親がその場にいなければ、家庭裁判所の執行官は子を保護できない。強制執行による子の保護は、引き渡しに応じない親に制裁金を科した上で一定期間が経過した時に限っている。こうした日本独自のルールは引き渡しまでに時間がかかる。
厚生労働省の人口動態調査によると、夫妻のいずれかが外国人の国際結婚は1989年以降、2016年まで2万件以上で推移している。グローバル化で多様な家族が増え、国境を越えた紛争も生じやすくなるとみて、法整備を急ぐ。

虐待など条件

法務省が検討する新たなルールは(1)連れ帰った親が経済的に裕福または極端に困窮しているなど、制裁金を科しても引き渡しに応じないとみられる(2)虐待や育児放棄など、子どもへの急迫の危険を防止する必要がある――場合にも強制執行を可能にする内容だ。
執行官は申し立てをした親がその場にいれば子どもを保護できるようにする。従来は虐待や十分な教育を受けさせていないようなケースでも、連れ帰った親が故意に隠れてしまえば保護はできなかった。申し立てた親が病気や経済的事情で来られなくても、裁判所の判断で子の親族などが代理人になれる。
連れ帰った親が自分以外の住居に子をかくまい、連れ戻しに同意しないよう頼んでいても、もう一方の親の申し立てがあれば連れ戻しをできるようにする。
子どもの意思を尊重するため、従来と同様、一定の年齢に達した子どもが連れ戻しを拒否すれば、強制執行できない。連れ戻しで子どもに重大な危険が及んだり、申し立てた親が元の国で子どもの世話や教育などをしていなかったりすれば、強制執行は認められない。
米国務省は迅速な引き渡しができないとして5月に日本を「条約の不履行国」と認定。国際的な非難が高まっていた。

更新 2018-06-30 (土) 16:30:08
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